台風が過ぎ去った翌日、空は澄み切って青く晴れわたっている。登山道はまだ少し濡れているが、鳥のさえずりとともに朝日が山を照らし出した。
踏みしめるたびに、ちくちくと水の音がする。木々の芽がほころび、新緑が山を彩っている。道中、時には白やピンクの花が見え隠れする。咲き誇る花々を見上げながらの入道雲を楽しみ、風に吹かれる髪の先を撫でながら歩を進める。
林を抜けると青空が一面に広がり、白い雲がゆったりと流れている。頂上まではあと少し。足元には黄色や白、ピンクの花々が咲き乱れ、爽やかな香りがして心地良い。
すべての疲れが吹き飛ばされ、青空の下、花々に囲まれながらのひとときは、まるで天上にいるかのような気持ちになった。台風による被害が心配だった山も、自然の偉大さと生命力にただただ感動させられた。