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植 物 談 義    第22話
 「フタバアオイは黄門さまの印籠で有名」
     この紋所が見えないか・・先の副将軍なるぞ・・
 
   

 TV時代劇に「水戸黄門」という人気番組がある。毎週の夜の8時40分頃になると「この紋所が見えないか・・」と印籠がアップされる。見せ場のシーンである。

 フタバアオイの三つ葉葵(植物としてはない。フタバアオイの葉を3枚集めたもの)は徳川家の家紋として有名であり、賀茂神社の葵祭りに用いるので賀茂葵ともいう。


 徳川家に縁のあるそれぞれの名家の家紋も三つ葉葵を紋所としているが、わずかな差異でもって区別している。

 家紋として用いられたのは動物や植物、その他であるが、その中でも植物が多く用いられ、桐が第1位、藤・菊・蔦・笹・酢漿草(かたばみ)・梅・桔梗の順となる。その他では鷹の羽・井桁・源氏車・鶴などである。

 

(写真:徳川葵)
     
(尾州葵)
(有馬桐) (16菊)
 

 「日の丸」は日本の国旗として法律で定められている。また菊の紋章は天皇家でよく使われているが、「16桐」とは少しだけ違いがある。それは花弁の数がもっと多くなっている。

 
   
1.日本の紋章のおこり
 

(ジャポニカ・大日本百科辞典17巻より要点抜粋)

 家紋は旗・幕など家の目印として用いたのが始まりであるが起源は不明確。

 

 平安中期以降、公家が用いた興車や束帯などを他人と区別するために文様が用いられ、いつとはなしに世襲となりその家の紋章なったものである。

 

 鎌倉幕府成立と共に公家は政権からしだいに遠のおいたばかりでなく、室町時代以降になると輿車の使用も廃止されので、公家に関する家紋の記事は影をひそめることともなった。

 

 代わって武家社会を反映し馬印・指物・幌・幕・衣服・調度品・その他にまで家紋を表示するようになった。

 群雄割拠の戦乱の世から、大平の世となった江戸時代には、武具や馬印などの紋章よりは、武家の威儀を正すに必要な家紋にかわっていった。

 

 武家は家格門地により身分が決まり、さらには礼儀作法もそれにより異なり、参勤交代や登城のさいに会う行列のために家紋を知る必要に迫られ、大名紋尽の書籍が刊行された。

 

 一方、大平の世は自然奢侈の風習を育み、装飾化がおこり、商業の発達、などの影響から町人の間にも家紋が広がった。

 

 明治時代になり家紋の使用はしだいに減ったが、近代資本主義の発達とともに自社製品に対するシンボルマークが生まれ、家紋とは別に紋章上の重要な位置を占めることになった。

 

 
 ★ イギリスを代表する紋章

 

 西洋の紋章は中世から始まったものであるが、その先駆けとなる国や王のシンボルは、すでに古代国家に現れている。

 古代ギリシアでは、アテネのフクロウ、コリントのベガサス、ほかにカメなどがシンボルとされた。また、個々の騎士が円形の盾にライオン・ウマ・イヌ・イノシシ・魚・鳥などをつけていたという。


 ロンドンの紋章は14世紀の中期から用いられている。オックスフォード大学は15世紀中ごろ、ケンブリッチ大学は1573年から紋章を用いている。    

 イギリス国王の紋章は、盾形を4分割してイングランド・スコットランド・アイルランドのシンボルを入れて、左右をライオンと一角獣、その上にヘルメットと王冠などを配置した紋章である。

 
 
   
2.フタバアオイ(カンアオイ属・ウマノスズクサ科)の特徴
 

 カンアオイやウスバサイシンなど、フタバアオイとその仲間はいずれも林の最下層を生活の場としている林床植物である。

 

 ウマノスズクサ科・カンアオイ属・フタバアオイは、山地の林内に生える多年草(常緑と落葉の2説あり)。茎は地をはってのび、地下茎から短い地上茎を出し、先に2個の心臓型の葉を対生する。葉は長さ4〜8pで両面に短毛がある。

 

 花は葉柄基部に春3〜5月に紅紫色で釣り鐘状の花を1個つける。紫褐色で直径1.5p、萼片3個は下半分は接着して筒状、上半分は三角状で強く反り返る。分布は本州〜四国〜九州。

 

1.単独で生活することはまれで、多くの個体が集団で生育していて林床を被っている。このような集団をつくるのはカンアオイの仲間ではフタバアオイだけにみられる特徴である。

 

 ア:穀類・マメ類・イモ類の貯蔵場所 (・世界の三大作物・)


1.花粉媒介の昆虫はほとんどやってこない。蜜は分泌せず、香りもない。専ら自動的な同花受粉によって種子はできる。自家受粉機構を発達させている。

 

2.果実は花の原形をほぼ保ったままで成熟。果実はネズミによる食害によって分布を広げ、また裂開すると「エライオソーム」の付属体にひかれて集まってくるアリによって運び去られ分布を広げている。

 

3.地下茎というものの地中にはもぐらない。地下茎の節々から芽が出て枝分かれする。やがて個々に独立していく。栄養繁殖である。

 

[自殖性の進化]・矢原徹一著・・ニュートン植物の世界から要点抜粋

 

 被子植物は雄しべ・雌しべをもつ両性花が多い。このことは生物界全体の中ではたいへんユニークなものである。雄性生殖器と雌性生殖器をセツトで備え持つ構造の動物を想像すると、被子植物の両性花はいかに奇妙な存在かが理解できよう。

 

1.両性花は自分の花の花粉によって種子ができる。このような受精は自家受粉または自家受精という。フタバアオイは自家受粉によって子孫を残している。

 

2.両性花の中でも自分の花粉では卵は受精せず、他家受粉によってのみ種子ができる植物は他殖性である。高等動物は一般に雌雄異体であり、他殖性である。

 

3.自家受粉の個体は遺伝子を残す確立は他家受粉の個体よりも大きい。従って、世代を重ねる毎に集団内での遺伝子は増加し、やがて自家受粉できる個体ばかりになってしまう。
他家受粉のメリットがないかぎり、植物はみな自殖性へと進化してしまうのである。

 

4.しかし、被子植物の種のうちでは、自殖性よりも他殖性のものの割合が大きい。その理由は、自家受粉によって生じた子孫は、他家受粉の子孫に比べて一般に生存力が劣るためと考えられている。高等動物では近親交配は有害であるとされ、法的規制がある。近交弱勢。

 

5.自分の遺伝子を残す上で自殖性(自家受粉)は、たいへん有利な性質である。特に送粉を動物や風などの媒体に頼っている植物の場合、ポリネーターが得られにくい環境では、必ずといってよいほど自殖性が進化している。

 


6.同じ種の花を選んで訪れるマルハナバチのようなポリネーターによって送粉される植物は一般に他殖性だが、学習能力の低いハナアブの仲間やハエの仲間に送粉される植物は自殖性の場合が多い。

 

7.自家受粉の植物の例として
アレチノギク・ホトケノザ・オドリコソウ・ツリフネソウ・ナズナ・キツネノボタン・オランダミミナグサ・ネジバナ・シヨウジヨウバカマ・スズメノテッポウ・ツユクサ・ミズヒキなど。

 

(文責:田代 誠一)
 
 
   
   
【参考資料】
植物の世界9巻・朝日新聞社・菅原 敬著
ニュートン植物の世界・高須英樹監修
山に咲く花・山と渓谷社・畔上能力解説
ジャポニカ・大日本百科辞典17巻・小学館
 
   
 
   
   
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